iDeCoはやめたほうがいい?私はやっちゃったけど…

こんにちは、酒飲み夫婦の夫です。

みなさん、iDeCo(イデコ)やっていますか?
私はやっています。

2021年からなので、2023年9月現在だとちょうど2年半くらいですね。

長期運用を前提としているので、現在の年利を言うのはあまり意味がないかもしれませんが、

  • 搬出金合計(入金した元本):713,000円
  • 資産残高:901,842円(+188,842円)損益率26.5%

という結果です。

順調に増えてはいますが、インターネット上では「iDeCoはやめたほうがいい」「iDeCoやめとけ」という情報もたくさん出ています。

私は正直なところそこまで詳しく調べてiDeCoを始めたわけではありません。なので気になるじゃないですか!

ということで調べてみました。

大まかなメリットデメリットは知っていたつもりでしたが、調べてみると「出口戦略が特に難しい」という感想です。
出口戦略とは、どうやってお金をもらうかです。

基本的なことも書いていきますが、この記事のメインはiDeCoの出口戦略と思ってもらってOKです。

iDeCoはやめたほうがいいのか?メリットとデメリット

まずは基本的なところから見ていきましょう。
ここはよく言われていることですから知っている人は飛ばしてもらってOKです。
そして今回は本題ではなので、サクッと説明してきます。

iDeCoのメリット

  1. 積立時の掛金が全額所得控除になる(節税になる)
  2. 運用時に得た利益は非課税(一般的には利益に20%ほどの税金がかかる)

でも注意しないといけないのは②は税金はかかりませんが、お金を受け取るときには別の税金がかかるんですね。
これ、分かりづらいですよ。。。

iDeCoのデメリット

  1. 運用状況によって元本割れのリスクはある(何に投資するかによってリスクも変わる)
  2. 原則60歳になるまでは資産を引き出せない(一部例外はあります。後で説明します)
  3. 運用時、引き出し時に手数料がかかる

いろいろありますが、NISAと比較すると、やっぱりNISAが使いやすいですね。
iDeCoは、NISA口座を使い切って、もっと投資をしたくて金融リテラシーも高い人向け、という感じで私は捉えています。

ただ個人事業主になるとサラリーマンより多くiDeCoにつっこめるので、より節税効果は高いと思います。
(月の掛金は、個人事業主MAX68,000円、サラリーマンMAX23,000円)

iDeCoからのお金の受け取り方(引き出し方)

はいここからが本番です。
60歳になってiDeCoからお金を引き出せるようになったとします。

以下のような人物を想定しますね。

  • 会社員で40歳から60歳の20年間、月額23,000円を毎月積立
  • 投資先は全世界株で年利7%を想定
  • 元本約500万円に対して運用益も500万円で合計1000万円がiDeCoにある

さぁこの1000万円をどうやって引き出すか、です。(もう普通に使わせてくれよ!)

iDeCoの引き出し方

iDeCoの引き出し方には3つのパターンがあります。

  1. 障害給付金
  2. 死亡一時金
  3. 老齢給付金

①の障害給付金は、既定の障害を持ってしまった場合に60歳前でも引き出し可能になります。これは完全に非課税。

②の死亡一時金は、加入している本人が亡くなった時に「遺族が請求すれば」受け取ることができます。3年以内に請求しないと非課税枠を使うことができなくなるので注意が必要です。

今回考えていきたいのは、ほとんどの人が関係する③老齢給付金です。
さきほど想定した60歳でiDeCoに1000万円ある場合、はたしてどうなるのか。

老齢給付金の受け取り方

老齢給付金としての受け取り方は3パターンあります。

  1. 一時金(一括でお金を引き出す)
  2. 年金(5~20年の間で「均等額で取り崩し」「均等割合で取り崩し」など選べる
  3. 併給(①と②の組み合わせ)

一時金でぱっと1000万円をゲットしたいですよね(笑)
でもそうはさせてくれません。

国「これまで積み立ててきた掛金で所得税などを控除されて、運用益も非課税、まさかそのままお金をゲットできるとは思ってませんよね?」

・・・いや、思っていましたとも。

①の一時金で受け取る場合は「退職金扱い」になります。
退職金は税制的に恵まれていますが、以下のように税金がかかります。

  • 勤続年数(20年まで)×40万円が控除
  • 勤続年数が21年目からは1年につき70万円が控除
  • 退職金が超えた部分に関しては、超えた部分は半分にして、それに対して所得税と住民税がかかる
  • 住民税に関しては退職金を受け取った翌年にかかりますが、ここでは退職時にいっしょに計算だけしておきます

想定している人が今いる会社に20年勤めていたとすると

20年×40万円=800万円が控除されるので、iDeCo1000万円ー800万円=200万円。
この半分の100万円に対して税金がかかるので大体15万円くらいになります。(所得税5万円、住民税10万円)

これだけ考えると元本500万円にが985万円になってゲットできたので「最高かよ」と思うかもしれませんが、、、

退職金って会社からも出ますよね?

会社からの退職金が1000万円出たらどうなるかも計算してみましょう。

iDeCo1000万円と会社の対処基金1000万円の合計2000万円が退職金になります。
2000万円ー20年勤務の控除800万円=1200万円。
この半分の600万円に税金がかかるので大体180万円が税金で持っていかれます。(所得税120万円、住民税60万円)

おいおい、それはきついって・・・

ちなみに30年勤務していると
2000万円ー(20年分800万円+10年分700万円)=500万円。
この半分の250万円に税金がかかるので大体37.5万円が税金。(所得税12.5万円、住民税25万円)

でも最近ではこの退職金の控除について見直しがされるような話もちらほら出ているみたいなので、今から20年後の話なんて分かりませんね。
あくまで今現在の仕組みで考えていきますよ。

会社からの退職金とiDeCoを別々の退職所得控除にしたい

これです。会社からの退職金とiDeCoを同じ退職金枠ではなく、別々にすることができれば20年勤務の場合の180万円もの税金を支払わなくてもよくなりそうです。

結論としては「もらう時期をずらせば可能です」
でももちろん以下のような制限もあります。

  1. 60歳でiDeCoを引き出し、65歳で会社の退職金(5年以降)
  2. 55歳で会社の退職金、75歳でiDeCoを引き出す(20年以降)

この2つのケースだと、別々で退職所得控除を受けることができます。
しかし②のケースは対象者が少ないような気がするので、①で考えてみましょう。

60歳でiDeCoを一時金として1000万円引き出したら、上で説明したように税金は大体15万円くらいでした。

65歳(勤務年数25年)で会社の退職金が1000万円だった場合

1000万円ー(20年分800万円+5年分350万円)=ー150万円なので税金は全くかかりません。
※5年間長く働いているので退職金はもう少し多くしてもよかったですが、、、

退職金の時期を5年間ずらすだけで165万円も節税できました。

ただこの想定が本当にうまくいくのかと言えば、会社からの退職金の受け取り時期を自分で決めることができるのかという問題もあります。

一時金ではなく年金として受け取る場合

ここまでiDeCoを退職金として一括で引き出すことを想定してきましたが、分割で運用しながら引き出したいということもあると思います。

そして一時金と分割を併用することも可能です。
退職時期をずらすというようなことは、できないケースもありますからね・・・

iDeCoを年金として分割で受け取る場合「雑所得」として扱われます。つまり年金として受け取っても税金はかかってしまいます。

使える控除は公的年金等控除になりますが、こちらも注意点があります。
結構複雑なのでポイントだけ書きます。詳しくはご自身でも調べてみてください。

  • 65歳未満:年間60万円までの年金は非課税
  • 65歳以上:年間110万円までの年金は非課税

今回は65歳以上で考えます。65歳から年金を受け取るとすると、現在の仕組みでは

  1. 国民年金:満額で年間約80万円
  2. 国民年金+厚生年金:満額で年間約170万円

となり、①はあと30万円をiDeCoで受け取ると110万円なので非課税ですが、多くの人は厚生年金も入ってくるので、iDeCoうんぬんの前にすでに課税対象なんですよね。

そしてiDeCoは「引き出す度に手数料がかかってしまいます」
1回数百円ですが、回数が多いとちょっと気になりますよね。

ざっくり計算ですが、国民年金+厚生年金+iDeCoで年間200万円の年金を受け取ろうとすると、税金や社会保険料を差し引かれて手取りが177万円になるという計算をしている方もいました。

ほんとiDeCoの出口戦略、難しすぎない?

iDeCoはやめたほうがいい?出口戦略のまとめ

人によって大きく戦略が変わることが分かると思います。
私もまだまだ理解が足りないと思いますが、とりあえず自分のパターンをしっかりと勉強しておこうと思います。

そして出口の60~65歳付近まで20年ほどあるので、これからも制度改正はされるという前提でいないいけませんね。

今私が考える一番の理想は、60歳でiDeCoを一時金(退職金)で受け取って、65歳で会社からの退職金を受け取る方法です。

でも

  • 長く運用しても利益は非課税(長く運用するメリット)
  • 住宅ローンがあり支払いを終えたい(早く受け取りたい)

などそれぞの事情や考え方で戦略は全く変わりますよね。

もうiDeCoを始めている私のような人は、出口戦略もしっかり計画しておきましょう。

2024年から新NISAが始まり、年間360万円、MAX1800万円まで非課税で投資できるようになります。
多くの会社員の人で、まだiDeCoをしていない人は、この新NISA枠がいっぱいになるまではiDeCoはしなくてもよいと思います。

結論としてはiDeCoは金融リテラシーがかなり必要という感じです。
もっと勉強します。